日本のSF作家、第2弾といったところでしょうか。(僕の中で)
ゼロ年代のSFの代表的な作品だそうです。
どれどれ・・・・。
読んでみました。
凄かったです。
どうしても連想するのが「1984」ですね。ジョージ・オーウェルの。
こう書くと、ネタバレに等しくなってしまうのかもしれませんが(笑)
絶望の物語というんでしょうか。
んで、「1984」にしても、「虐殺器官」にしても、
最後、まあ言ってしまえば主人公が壊れるんですが、
壊れ方が似ているというか、
要は自分の周りの人がどんどんいなくなったり、自分が完璧に信頼してる思想等から裏切られたりして壊れるんですよね。
イメージ的には完璧に独りになるっていうイメージ。
その辺りの過程が、状況は両者違えど似ていました。
かたや何も残らなくなったのと、かたや必殺兵器が残ってたのと。
んで、この虐殺器官が不思議な作品で、
近未来をイメージして作られてると思うんですが、
その近未来、核兵器が使われて、かなりドロドロした世界であることは間違いないんですが、
この近未来より、実際の現在の方もなかなかどうして、ドロドロした世界な気がしました。
各地で内戦が次々起こってて、その黒幕が1人の 変わった学者なんですが、
まだ、その方が救いがあるというか(笑)
今みたいなドロドロ。いろんな国や企業のいろんな思惑がごちゃごちゃして、内戦が終わらない状態の方が救いがなさそうな(笑)
だから、この作品の世界、終末の世界なイメージですが、明るい、気楽な世界な気もしてしまいました。
うん。おもしろかったです。
残念なことに、この作者。34歳にして亡くなってらっしゃるんですね。
作品も少なくて寂しいです。