タイトルのままのお方が、自らの経験を元に軍隊のリアルについて書かれてる本です。
国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書) (文春新書 1069)
- 作者: 伊藤祐靖
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/07/21
- メディア: 新書
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8月。この時期、日本って夏でお盆だけど、第2次大戦関連の月でもありますよね。
なので、こういう思い切ったタイトルを見て衝動買いしてみました。
少し前まで現役の自衛艦。しかも海上の方。
なんてゆーか、マッチョな思考の持ち主です。ハードボイルドって感じの印象です。
まずは自衛隊時代のお話からです。海上の方では、(多分陸上でもそうかもですが)今でも結構ピリピリしてる現場なんだなってのが文章から感じます。
日本は平和だ〜って思ってるのが、甘いって思わされる感じですね。
SFの作品で、「宇宙の戦士」ってゆーのがあります。
そこでも、軍隊とは何かについて、けっこう厳しく、現実的に(SFだけど)軍とはこーゆーもんだって書かれてたんですが、
SFってゆー舞台を借りずに、自らの体験で、軍隊について読ませるって何か凄みを感じました。しかも、そういうのに縁遠そうな日本国内で!!
ちなみに、その「宇宙の戦士」では、暴力(武力?)は結局歴史上一番たくさん問題を解決してきたとか、兵士に、一般的な人権とか、ないぞ?手足やぞ?
とか。結構厳しめの事が書かれてます。
よくニュースとかで見る「北朝鮮の巡視艇が〜」で、実際に自衛隊の艦が追いかけるときのリアリティーやスリル。
自衛隊にいる人の戦いに臨む時の覚悟。
物凄いです。
んで、作者は、自衛隊とか、特殊部隊にいましたが、やっぱり実戦経験は少ないんですよね。急に実戦はやってくるんですが、ギリギリのところで回避って感じになってたりして。
んで、自衛隊をやめてフィリピンに行くんですが、
そこで実戦を肌身に感じて、さらに「国とは?」ってのも、肌身に考えさせられるって事になっていくお話です。
まあ、元々、国って西洋のものですよね?
アジアは割と部族とゆーか、国って感じではなかったんですよね?
その辺の根本的な事にも触れてて、興味深いです。
あと面白かったのは、自衛隊って強いのか?ってなった時に、
軍隊はその国の、こう・・・。レベルが低い人がたくさん集まってくると・・・。(思い切った事を書いてますね(笑))
その各国のレベルが低い人達の中では日本はレベルが高いんだと。
だから環境的には弱いかもしれないが、そんなに弱くないんでは?って事が書かれてたと思います。
その辺りが面白く、なるほどー。軍隊ってその国の階級?とゆーか、まあ、生活が大変そうな人たちが集まるってことかーって思いました。
んで、国に、国家の方針とゆーか、理想とゆーか、目標を持って欲しいと切に願ってます。
この方は国のために死ねますが、死ぬなら国の方針とやらを知りたいと。
で、どうせなら立派な理念とかを持って欲しいと。
暗に何も国の理念がないことをディスってます。
確かになあ。一億総活躍なんか、理念でもなんでもないですよね。
何に向けて活躍すりゃいいんだよ?って事ですよね〜。
まあ、国に関しては、僕はよくわからないとゆーか、
理想の国家は理想の国民によってつくられる。
だから理想の国家になりたけりゃ、理想の国民に全員がならないといけないって事を、
これはまた聞きですが、プラトンってゆー、2千年以上前の人が言ってたらしく、
説得力があるな〜と思ってて、
だから国をどーこー言う時、自分に跳ね返る気がいつもするんですよね・・。
それでもやっぱり、何かわかりやすい理念は欲しいなと思いますね。
ま、僕が国のために死ねるかどうかは別として(笑)
気を引き締められるいい本です。