観察・妄想日記

日々の出来事、ニュース、等を時に妄想をまじえながら書いていく日記です。

45人目 西 加奈子 「炎上する君」

何となく、女性作家を中心に読んでいこうと思ってまして、

やっぱり、そんなざっくりとした探し方だと、どーも選択が進まなかったです。

 

で、先日本屋で何となく買って1ヶ月経った作品がこれです。

 

短編集になってて、

1話が大体30ページくらいでしょうか。

 

楽勝ですぐ読めると思ったんですが・・・。

全くすぐに読めませんでした。

 

どの作品も、序盤はすごく面白くて、分かりやすくて、

発想がすごくて、

ストーリーもサクサク進んで、

逆にこれは最後どーなるのかな?

きっと こーなるか、こーなるかのどちらかだな〜。

ってなる、いわばポップな展開で読みやすいんです。

 

ところが、最後に近づくにつれて、

かなーり、難解になっていって、

結論がもう、グッチャグチャなんです(笑)

でも、読み応えがあるとゆーか、何度も最後の部分読んでしまって、

噛み砕いて自分なりに解釈を迫られるって感じでしょうか。

 

だから時間がかかりました。

 

うーん。これが文学ってヤツなんでしょうか。

最近はやっぱりわかりやすい本が求められてる気もするし、

僕もそーゆー本ばっかり読んできたので、

この本には衝撃を受けました。

 

あの最後のグチャグチャ感。どー説明したもんでしょう。

絵の具。

赤とか、青とか、色々混ぜるとしますよね。

混ぜきった色を説明するのが普通の文章だとして、

この方の最後は、

混ぜてる最中の赤とか青とか白とか、

色々ゴチャゴチャした状態をそのまま、順序立てることなく、

見たまま、感じたままに、一気に凝縮して書いた感じでしょうか。

 

ある日常の ある決意する場面。実際はスッキリしたものじゃなくて、

色々やりきれない、振りきれない感情とかもあって、それでも決意して、

人に説明するときは、決意のスッキリした部分だけを話したりするものですが、

この作品では、その感情とかも、順序とか関係なくむきだしにしてる部分が面白いです。

 

あ、でも、この方、男、女に敏感な何かを持ってるんでしょうか?

なんてゆーんでしょうか・・・。

最後のオチとかその他色々、

登場人物が男性なのか、女性なのか、全くわからなくして、溶け合って、

混ぜてる作品がかなり多かったです。

半分くらいはそんな描写があったんですよね。

何なんでしょうね?

 

本好きだけど、ミステリーとか、SFとか、かるい恋愛ものとか読んでる人で、

少し難しい文学読みたい人にはいい感じです。

文学入門書みたいな感じな気がしました。

 

・・・。直木賞とってるんですね(笑)

芥川賞っぽい気がしました(笑)