観察・妄想日記

日々の出来事、ニュース、等を時に妄想をまじえながら書いていく日記です。

14人目 カズオ・イシグロ 「わたしを離さないで」

他の方のBlogを読んでて、頭に残る作者の名前が本屋で出てきたので購入。

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

 

うん。嫌な話でした。

読んでて、こういう設定だなってのは、割と一瞬でわかるんですが、

被害者(?)側が主人公っていう目線で追いかけてます。

なので、設定よりも、人の感情、行動がメインです。

 

ま、バッドエンドですよ。

それも構造的なバッドエンドなので、その辺り、バッドエンドの代表作的な「1984」を連想させます。何か僕の中でバッドエンド=1984になってますね。

それに加え、僕の嫌いな「余命〜年のなんちゃら」

系統も入ってて、どーにも好きにはなれない作品でした。

 

構成とか、設定とか、ストーリーとか、人物描写とか、

どれも凄いですよ!!

引き込まれるものがあります。

 

学生時代、こういう人、いたわ〜的な事もありますし、

学生時代の揉め事ってこういう事、多いよね。

ってのもあります。

恋愛要素も、なんとなくあるあるって感じですし。

 

でも、どんなに凄くても、やっぱり好きにはなれない作品でした。

 

ただ、「余命もの」を含めて、この作品がなぜ好きじゃないのか?

ってのはわかった気がします。(あ、この作品、余命ものとは少し違います)

 

今回の作品は、強制的に不自由な人生を、それとは知らずに送っていくってゆー設定です。

 

だけど、こーゆー極端な設定じゃなくても、人生って、多かれ少なかれ、そんなもんですよね。どうにかなできそうでも、どうにもできない事ばかり。 

どんな人にも、例えば僕にも当てはまるんですよね。

何となく不自由や、閉塞感って、誰でもあると思います。

まれに、それらがない人は存在するんでしょうが、

ま、大抵みんな、少なからずそういうの持ってる・・・と・・思うんですけどね・・。

僕だけかな・・・。ま、そこはいいか。

 

んで、作品では、その不自由や、閉塞感、迫る死の状況で、

それでも楽しく、人間らしく生きる。

それにひきかえ、 私たちはどうだろうか。恵まれてるでしょ!!

登場人物のように、立派に生きないと!!

もしくは、人生、一寸先は闇!!

だから、登場人物のように、立派に・・・。

 

って感じの印象を受けてしまうんですよね。

要は、

「もっと現実を見て、大切にせよ!!」

ってメッセージを強く感じてしまうんです。こーゆー作品読むと。

(あ、あと、仮に面白くなくても、「面白くない」って言いにくい、

言うと、「非道い人間」扱いされそなところも苦手なんですよね。特に余命ものの場合)

 

あくまで僕がそう感じるって話ですが。

 

んで、僕の好きな本。ってか、僕が本を読む理由は、

「新しい発見」・・知識の本・歴史物

「新しい世界」・・SF・ライトノベル

「新しいトリック・考え方」・・探偵ものとか。新書とか。

等、

そう、多分、「現実からの逃避・飛行」を味わいたいからな気がします。

 

でも、この作品や、余命ものは「現実を大切に。現実・運命からは逃げられないよ。」がテーマなので、余計なお世話。解ってるがな。って思ってしまうんですよね。

 

ただ、今回は政治かな?なんだろ。「新しい世界」の要素も入ってるので、

結末や、テーマが嫌でも、最後まで面白く読めました。

 

うん。でも、本当、すごい作品でした。

この手のバッドエンドが苦手じゃない人は必読だと思います。

 

ただ・・・。この作品と、前の「プリンセス・トヨトミ

両方とも映画化なり、ドラマ化なりされてるようで、

両方とも「綾瀬はるか」が絡んでるようだ・・・・。

別に彼女の事が好きだったりするわけではないんですけど、

不思議な事があるもんですね。