昔の名作です。
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」以降の昔の名作。
「モンテ・クリスト伯」は残念ながら挫折しました。
何かね。途中で飽きてしまって。
復讐のやり方がイマイチね。ピンと来なくて。
復讐すべき人が死んじゃったりしてたりもして。
どちらかといえば、恩人への恩返しもしているんですが、
そっちの方がほっこりして好きだったりしましたね。
自業自得も含め、散々な目にあい、金が必要で、ゴリオ爺さんに金を無心し続けます。
ゴリオ爺さんと同じ下宿に住む、ピカピカの大学生。彼も中途半端な血統で社交界にデビューしようとします。
大学生はひょんな事から、娘2人と関わり、ゴリオ爺さんの娘に対する愛情に感銘を受け、金やマウントのために父親を愛抜きで扱う娘2人にドン引きするという話でした。
面白かったのは社交界の描写です。
何となく、今のインフルエンサー業界や、芸能界とかに通ずる何かがあるような気がしました。
誰と誰が不倫していて、(そこはわりと黙認というか大っぴらな世界っぽいです)
男の方が、今度正式に違う相手と結婚してしまうというゴシップが大賑わいな世界です。
今はネット社会なので、社交界のうわさ話的な、野次馬的な存在はたっぷり増幅されているでしょうし、ワイドショーのルーツってやっぱり大昔からあるんだなってのがうかがえる感じがして面白い。
詳しくは知らないんですが、ガーシーさんが流行るのも、もはや本能レベルなんでしょうね。
後はマウントの取り合いですね。マウントの基準がもちろん今とは違うので、そこらへんよくわからない所もあるんですが、本質的には変わってないんだなと。
今も至る所で行われてそうですよね。
「わからずに他人を傷つけるのは軽蔑されるが、わかってて他人を傷つけるのは皆から尊敬される」みたいな、なんか恐ろしいアドバイスを大学生にしている夫人もいました。
「一人殺せば犯罪者だが、100万人殺せば英雄」みたいなのに通ずる話ですね。
ゴリオ爺さんの切ない愛情も見所です。
読んでよかった作品でした。